ミニシンポジウムのおしらせ 『阪大法の壺』
2019年03月19日(火)追加情報
- 開催日程
- 2019年 4月14日(日)14:00~17:00
- 会場
- 大阪大学中之島センター 7階 講義室702
- テーマ
- 『阪大法の壺』 辻 悟『ロールシャッハ検査法』を読み解く
- 備考
★今回の企画について
本ミニシンポジウムは、昨年の日本ロールシャッハ学会第22回大会の特別企画の一つとして開催した内容を、改めて関西ロールシャッハ研究会自由クラス会員をはじめ阪大法に興味をお持ちの方々に広くお届けしようと企画しました。阪大法の形式・構造解析の勘所を、関西ロールシャッハ研究会に於いて長年、辻先生の下で研鑽を積まれた小笠原先生が分かり易く解き明かしてくれる貴重な機会です。
とかく難しいと言われている阪大法ですが、その基本的な考え方をひとたび身につけてしまえば、あとはプロトコールと睨めっこして自分の頭を使うだけ、という、まるで囲碁か将棋のような面白さがあります。
当日は、前半で小笠原先生に「壺」のお話を伺い、後半で弘田先生からコメントを頂き、フロアの皆様とのディスカッションにつなげていけたらと考えています。 (飯田)
★本ミニシンポジウムの紹介
ロールシャッハテストの阪大法は、辻悟(1926-2011)の半世紀を超える臨床実践の中で今日の姿へと発展を遂げてきた。阪大法は、ともすると難解で習熟しづらいものとして敬遠される向きもあるかも知れないが、決して他の流派と本質的に異なっているわけではなく、実際にスコアリングの記号自体も他の流派との共通性はかなり高い。
但し、阪大法の場合、「記号化した結果をどう整理・解釈するか」(→ 記号化の後)よりも、むしろ「どのように記号化するか」(→ 記号化の前)に、即ち、記号化に至る過程に於いて被検者の内面(内的体験世界)に生じている様相に注目し、それを可能な限り追体験することに明確に重点が置かれており、その点では「記号化した後の処理」を重視する立場とは一線を画している。このように、阪大法は単なるスコアリング体系を超えた一箇の方法論であるのみならず、ある意味一種の「臨床哲学」と言っても過言ではない側面を有しており、そこにはロールシャッハテストと精神・心理臨床場面との間の往還という地道な営みの中で結晶化してきた辻の「治療精神医学」の真髄が詰まっている。従って、阪大法は精神療法・心理療法との親和性が高く、ロールシャッハテストから得られた知見を実際の治療場面に還元することが前提とされている点が特徴である。
今回のミニシンポジウムでは、辻の著書『ロールシャッハ検査法』『こころへの途』の中から、特に阪大法の「壺」(=要諦)であるところの「外輪郭形体」「複合(超越性)」「home/away」等の概念を採り上げ、外輪郭形体把握や複合(超越性)のありように表れる認識様態と被検者の病態水準との関係を中心に、話題提供者自身の見解も踏まえて概説した上で、フロアの先生方と共に、他の流派からの視点も交えて議論を深めたいと思う。 (小笠原)
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企画の詳細については、添付のpdfファイルをご参照ください。
参加費:1000円
要事前申し込み
※自由クラス会員の方の参加費は無料で、予約不要です。